六華窯雪月花~News
六華窯の 「今」 をお伝えしていきます。
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六華窯雪月花~News No.49
2016 岩井 純 40周年記念 ≪ANTINOOの世界X≫
■ 日時 : 2016年10月27日(木)~11月2日(水)
最終日16:30閉場
■ 場所 : 仙台藤崎 本館6階 美術ギャラリー
★Homu Page/Blog http://kilnrikka.jp
★(Re Value NIPPON 中田英寿氏来窯) http://nakata.net/rnp/area/12245/
振り返ることもなく、時間に追われながら試行錯誤を繰り返し、気がつくと40年。毎年発表を続けてこられたのも、ひとえに皆様のお陰と深く感謝をいたしております。前を見て、無限に深く豊かな用と美を探索しながら、これからも創作を続けて参ります。
ご高覧をいただきたくご案内申し上げます。
2016年10月 岩井 純
六華窯雪月花~News No.48
随想「無限の時間」
最近、久しぶりに徹夜をした。学生の頃は一夜漬けを特技としていたので、試験の前など、それが2,3日続こうが何とも思わなかった。私を含め、どうも夜型の人間は朝まで「無限の時間」が続くような錯覚の中で生き、そこに自分を取り戻す世界を見つけようとする。暗闇が昼に見る様々な限界を取り除き、それが永遠に続く可能性を秘めているように思うのである。朝陽が昇と同時に急に現実に戻され、時間という制約が一気に迫ってくるような焦りを感じてしまう。
ところがどうであろう。200年前、ゲーテの住む北ドイツ地方の朝は、9時になってもようやく東から太陽がゆっくり顔を出したかと思うと、冬の厚い灰色の雲間に、かく言うゲーテの「上空の雲は縞をなして羊毛の如く、下方の雲は重く垂れ下がっている」陰鬱な昼の一日が始まる。これでは夜の「無限の時間」を楽しむといったことが出来たのであろうかと、ふと考えた。時には冷たい霧に森や町は包まれ、通い慣れた仕事場への道の石畳を街灯の光が照らす。一日中が「無限の闇」と錯覚するほど、それが4か月近く続くのである。
そん北ドイツの北方的な、ゴシック的な悩みから逃れて、アルプスのブレンナー峠を超えてイタリアに行こうと決心したゲーテのその時の気持ちは、私には計り知れないが、彼の南欧に対する憧れは、中世から気候風土や文化史的にも宿命的なものと思われる。
理由はともかくとして、いわゆる沈まぬ太陽に憧れて、イタリアに旅立ったように思えてならない。
9月のある早朝、だれにも告げず逃れるようにして出発した彼は、ベローナからベネチア、そしてアッシジを経由して、5か月かかってローマに入っている。
ローマに入った彼は言う「この地に全世界史が結びついている。そして私は、このローマに足を踏み入れた時から第2の誕生が、真の再生が始まる」と。
この地で彼は「無限の時間」に歓喜したことであろう。
今朝、私はそんなことを考えながら、遠くに見える蔵王の陽光を眺めていた。
< dolce-vita-la-fellini >
「甘い生活」1643年・フェデリコ・フェリーニ監督の映画の界隈を歩く.
左はMAJESTIC HOTEL 1889年ー創業のベネット通りで最古のホテル
ライムグリーと金色のラウンジやパブリックスペースの装飾は、昔のまま
に残されている。
映画の舞台になったエレガントなベネット通り(VIA VENETO、ROMA)
入口を入ると、布の美しい色々が目に飛び込んできた
ワクワクする。
「太陽の光で、見てみましょう」と店のご主人
なるほど・・・自然光に美しく「赤」がそれぞれの色を放つ
まさしく、 ♫TRUE COLORS ♫
イタリア人の色へのこだわりが良く分かった瞬間だった。
決して、一ミリもゆずらない自分の審美への目と確信。
歌手Sindi Lauperも歌っている、TRUE COLORSを。
私も「沈まない太陽の光」に憧れて、イタリアへ何度も旅をして
いるのだと思った。
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